
家を追われたタヒールには、誰にも言えない特技がある。古銭の匂いを嗅ぐだけで、相場の流れが手に取るように分かってしまうのだ。この「第六感」を、彼はひた隠しにしている。
そんな裏で、欲深い叔父のファティマは一族の権力をしっかり握り込もうとしていた。一方のタヒールは、香辛料取引という殺伐とした世界で、静かに逆転のチャンスを狙っていた。
彼の前に現れたのは、謎の投資家ライラ。冷徹な計算高さの奥に、別の思惑が透けて見える。
一族の帝国にはザイドのような狡猾な古参が跋扈し、よりによってタヒールを捨てた元婚約者サラは、今さら自分の選択を後悔している。
競争と裏切りが渦巻く空気の中、タヒールは隠してきた知略を武器に、誰にも見えない「商売の暗号」を読み解いていかなくてはならない。奪われた権利を取り戻すために。
――古銭の匂いは、この男にとって祝福か、それとも呪いか。玉座をめぐる戦いは、まだ始まったばかりだ。
弃子凭古币嗅觉透视商战迷雾,逆袭夺回家族帝国