
クーデターの夜明け。修道院の書庫は、古い羊皮紙のにおいと、血の予感に満ちていた。
もう後戻りできない扉の前に立つのは、慎重で頑固な記録官エムレ・アスラン。その手にあるのは、動かしようのないひとつの真実だ。貴族が王座を握る正当な根拠にもなり、数百人の虐殺の引き金にもなる秘密。
宮廷は混沌へ沈んでいく。裏切りが絡み合う迷宮で、エムレは誰を信じればいいのか。
歴史を書き換えてクーデターを正当化しようとするのは、欲深い貴族の後援者グレタ。そして、粛清される者の名前を隠し持つ、切れ者の宮廷書記官メヴリュット。
父の汚れた遺産の重みを背負いながら、エムレは気づく。権力の最終局面で、真実こそがもっとも危険な武器なのだと。
王国を焼いてでも、歴史を守るのか――。
政变前夜,图书管理员必须决定真相是否值得数百条人命。